アトリエ・ダンシュとは?


近年音楽人口は少しずつではありますが増加の傾向をたどる中、ファゴットやオーボエといったダブルリード楽器に関しては残念ながら減少傾向にあります。例えば吹奏楽コンクールの課題曲で、オーボエやファゴットがオプションとして取り扱われている事等がその顕著な例と言えるでしょう。その理由としては様々な事が考えられますが、我々は大きく次の三点に原因があると考えました。

 

●リードに関する問題点

リードを購入するにしても或いは自作するにしても、手間暇が掛かり過ぎる。また、何れの場合も必ずしも良いリードに巡り会えるとは限らない。しかも購入価格は、特に中・高生にとっては決して気楽に買える金額ではない。

 

●楽器の保守・管理に関する問題点

楽器の不具合に気付かずにそのまま使っている。或いは気付いてはいてもどうしたら良いか、つまりどこに修理を依頼すべきか判らない。また、修理費用が意外に掛かる。

 

●奏法・修得法に関する問題点

どんな楽器にも共 通して言える事だが、手ほどきが大変重要であるのにも拘わらず、適切な指導者が身近にいない。つまり先輩或いは経験者の(残念ながら必ずしも正しいとは言い難い)自己流を踏襲していくケースが極め て多い。

 

以上の様な問題を抱えていては、思う様に楽器を扱う事もできず、なかなか上達しないのも無理ありません。その結果、ファゴットそしてオーボエは“お金がかかる上に難しい”という歪められた認識が定着し、例えば吹奏楽部等でダブルリード楽器が敬遠されるという悪循環が始まりました。この状況を何とか打破しなければならないという危機感を持ったプロフェッショナル・プレイヤーが集まって、音楽工房アトリエ・ダンシュが 組織されました。メンバーは、オーボエ、ファゴット取り混ぜて、フリーランサーからオーケストラ・プレイ ヤーまで様々ですが、この際ダブルリード楽器という枠組を越え、一つ大風呂敷を広げて、“我が国の音楽界ために少しでもお役に立つ”という目標に向かって活動を始めました。我々の理想郷は、一朝一夕にはやって来ないでしょう。できる事から少しずつ着実に実現して行きたいと考えています。